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現実にゾンビが発生し災害になる可能性はあるのか?

予め結論を先にいいますと ”YES” と言わざるを得ません。

人間が想像できるような災害は実際に起こり得る可能性のあるものだとも言われていますし、ゾンビ映画も狂犬病を元ネタにしていると思われるものが多々存在しているからです。

とはいえ、死者が蘇って人を喰らうなんてことは無いんじゃないの? と考える人も当然いるでしょうし、そう考えるのが普通の思考です。
ですが、自然界にはタイワンアリタケというアリに寄生し、寄生されたアリは脳を支配され菌類の成長と胞子の拡散に適した場所まで移動させられて絶命するという恐ろしい物もいます。

それらが人間に寄生出来るように進化し、神経系にまで干渉できるのであれば死者を動かすことも十分に可能でしょう。

ですが、今回は狂犬病からの変異でゾンビのようなものが発生するかどうかを考えていきます。

目次

 狂犬病ウイルスの変異によるゾンビ化の始まり

人には未知のウイルスに対して免疫はなく、それを抑えるためのワクチンも存在していません。そのため、未知のウイルスが人間社会に入り込んできた時、悪夢とも言える出来事が幕を開けることになります。

ウイルスはどこからやってくるのか?

このウイルスがどこからやってくるのか? どのような経緯で感染するのか? それは状況によって様々であり、既存のウイルスが変異したものや新種のウイルス。はては未発見生物が保有している可能性も十分にあります。

そしてこのような新しいウイルスによる病気は、人から人への感染中に変異するよりも、人以外の種からやってくることが圧倒的に多いのです。

このような人以外の種から感染する病気のことを”動物由来感染症”と言い、エボラ出血熱やSARSなどの発生源はどちらもコウモリと考えられています。

また、動物由来感染症で注意すべき点は、動物から人へ感染するときの経路であり、基本的には直に接触することで感染するため、ウイルスを保有した生物に噛まれたり引っ掻かれたりすると高確率で感染してしまいます。

この際にウイルスの持つ感染力によって発症する種は異なりますが、今回は狂犬病からの変異ということで全ての哺乳類を対象としています。

狂犬病からの変異で怖いところ

狂犬病ウイルスの怖いところは神経系を侵すところであり、神経細胞に入り込むとその細胞に働きかけウイルスを増殖させます。そしてゆっくりとではあるが、確実にウイルスは増殖し最終的には脊髄を通り脳にまで届き全神経に達します。

また、狂犬病を発症後のは致死率ほぼ100%のため死ぬと言われたも同然です。その理由は、筋肉を司る脳細胞が損傷し、麻痺して息ができなくなるから。

狂犬病を発症するとどうなるのか?

狂犬病を発症すると死に至るまでの時間が早い上に、ウイルスが脳まで到達すると抑うつ状態になり幻覚症状が現れ、口から泡を吹いて獣のような状態になります。これは喉の筋肉を制御する神経が破壊されて、水を飲むと痛いからです。

そして泡を吹くように唾液を分泌します。

もちろん唾液も飲み込めません。

この状態まで到達すると、非常に凶暴になるだけではなく他の動物を襲うようにもなります。これは攻撃性を抑える細胞が損傷を受けた結果だと思われており、何が起きるかわかりません。

だとしたら狂犬病は恐ろしいものじゃないか

確かに上記のことを踏まえれば狂犬病は恐ろしい病気です。ですが、狂犬病ウイルスそのものは簡単には感染しないのでそこまで恐れる必要はありません

事実、日本では海外へ渡航して感染した以外の感染例は近年見られておらず、日本国内にいる限りでは感染する可能性は限りなくゼロだと言って良いでしょう。

感染者に噛まれる、引っ掻かれる、よだれを垂らされるような状況にでもならない限り感染することは無いので、普通に生活をしていて感染することはありません

ならどうして狂犬病がゾンビ化の原因になるのか?

現状、狂犬病ウィルスは空気感染をすることがありません。ですが、ウイルスが変異し容易く広がる能力を獲得したらどうでしょう?

例えば、インフルエンザウイルスのように。

もしも狂犬病ウイルスに空気感染するような新種が出現したとすれば、歴史上最悪のウイルスになる可能性があるだけではなく、文明そのものを破壊できるだけの力を持ちます。

そのため空気感染するような変異を遂げた場合、容易く狂犬病ウイルスによるパンデミックが発生します。なぜなら狂犬病ウイルスの潜伏期間が人であれば1~3ヶ月間程度だからです。

この間に、感染した人が行動した範囲全ての哺乳類動物に感染の可能性があり、発症するまでは一切自覚症状がない状態で普通に生活をしています。

よって、誰か一人の発症が認められた時点でウイルス保有者の数は膨大なものとなっているのです。

 発生の原因は人的ミスか? 自然のイタズラか?

ウイルスは一体どこで変異するのか?
それは自然による変化もあれば、人の手によって変異することもある。

人は研究のため常に病原体を操作しており、それらの研究によって医学は進歩しワクチンなどの生成も行えるようになった。

近年では癌細胞を殺すウイルスの研究も盛んに行われており、多くの研究機関で成功しウイルスは遺伝工学的に扱われているといえる。

その一方で、感染力が高く致死性の高いウイルスが作られているのも事実であり、そのようなウイルスが外部に漏れ蔓延した場合には世界を終焉に至らしめるようなものも少なくない。

そして、それらの実験は私達が思うよりも頻繁に行われているのです。

人的ミスによる流出の可能性

人が管理をする以上、どのような予防策を講じてもウイルスの流出を100%食い止めることは不可能です。管理場所が自然災害により崩壊することもありますし、何らかの事故で管理体制が崩壊することもあるでしょう。

その際に、人為的に変異した狂犬病ウイルスが外界にばらまかれたら最悪の事態が発生します。

噛まれたり引っ掻かれたりするのではなく、狂犬病ウイルスが人から人へと空気感染する様を想像してみてください。世界を破滅させるに至る惨事を思い描くのは難しいことではありません。

自然のイタズラによる流行

これははっきりと言ってどうしようもありません。

変異した狂犬病ウイルスを保有した動物に人が襲われ、その人が治療のために病院などへ通う。するとその行動範囲にいる人に変異した狂犬病ウイルスが感染する。

最初に噛まれた人はワクチン等を打たれるかもしれませんが、それ以外の人はワクチンを打つことなどしませんし、まさか自分が狂犬病ウイルスに感染しているとは夢にも思わないでしょう。

また、最初に襲われた人にもワクチンの効果が認められるかも定かではありません。なぜなら、変異している時点で通常の狂犬病ウイルスとは異なっているため、ワクチンの効果が出ない可能性も十分に考えられるからです。

変異した狂犬病ウイルスが猛威を振るう前触れ

発生の原因が人的であれ自然的であれ、最初にウイルスに感染した人は遅くても3ヶ月で発症します

人的ミスであった場合は、狂犬病に似た症状を発症し不可解な死を遂げた人物がいるとしてニュースなどで取り上げられるでしょう。そして、感染しているかどうかを確かめるために解剖し、その結果”狂犬病”として死亡原因が告げられるはずです。

ですが、これは変異した狂犬病なので次々に同様の症状を発症していく人で溢れかえります。こうなると感染経路の特定は難しくなり、発症した患者に関連性がなければ狂犬病かどうかすら疑われてしまうでしょう。

これが自然発生した場合、最初の患者が医療機関で治療を受けていれば感染源の特定は可能であり、通常の狂犬病ウイルスではないことも発覚します。

情報規制がされない限りはニュースの話題は”変異した狂犬病”でもちきりになり、外部の情報を取り入れることのできる環境にある人はウイルスの脅威に震えることになります。

感染者というゾンビのような何かとアウトブレイクの発生

狂犬病の初期症状はインフルエンザ同様の不調や疲労感です。その後は、発熱・嚥下困難・光に過敏・興奮して叫んだり攻撃的になるといった症状が現れ、まるでゾンビのような行動を取り始めます。

このような人物が数名出現した時点で、ウイルスに感染している人の数は数万~数十万に及び、半年もすれば数か国以上で被害が広まりアウトブレイクが発生することになります

こうなると連日暴動の様子などがニュースでも取り上げられるようになり、それぞれの国の対策部門が対策の取組を法事、国民に対して最大限の注意を呼びかけるようになるでしょう。

そして感染の勢いを削ぎ、これ以上ウイルスが拡散することを食い止めることが期待されます。ですが、連日流れるニュース等によって人々の恐怖が和らぐことはありません。

アウトブレイク発生後に起きるであろう出来事

発症すればほぼ100%の確率で死にいたり、治療することも出来ない狂犬病ウイルスですが、発症する前であればワクチンの摂取により発症を抑えることが可能です。

ですが、これは通常の狂犬病ウイルスに対してであり、上記に記した通り変異した狂犬病ウイルスにそのワクチンが効果を発揮するかどうかはわかりません

仮に効果があったとしても数千万~数億という数のワクチンを用意することは困難であり、ワクチンの製造そのものにも数ヶ月の期間を要することから満足な量を確保することは難しいでしょう。

また感染の拡大が予想される場合、限られた数のワクチンを誰に摂取するのか? という問題も発生し、高い確率でパニックになり暴動が起きると予想されます。

伝染の拡散を防ぐ方法は「検疫」と「隔離」

ワクチンの量や効果の兼ね合いで拡散防止が失敗した場合、検疫と隔離が行われ始めます。このころには自警団のようなものも現れ始め、徐々に法律による抑制力がなくなりだすでしょう。

ですが、変異した狂犬病ウイルスによってゾンビのようになった人々全員を検疫することが可能でしょうか?

間違いなく不可能です。

誰が感染しており、誰が感染していないのか? その区別は発症するまでわかりませんし、発症してから隔離したのでは手遅れ。未発症の人を検疫の対象には出来ますが、発症していないだけで感染しているかどうかまではわかりません。

また隔離した発症者は攻撃的であり襲い掛かってくる可能性もあるため、隔離用の収容施設もそれなりの規模で頑丈な場所が必要になってきます。

そのうえ、症状の軽い人は閉じ込められるのが嫌なうえに症状の重い人と一緒にいたいとは考えません。もしかしたら自分はただの風邪かも知れない。

そんなことを思って隔離施設から脱出された場合、感染症対策の制度は意味を成さなくなります。

現実的な対応方法は?

映画などでよく見られる「コミュニティ」と呼ばれる状態、つまり逆隔離の状態を作ること

防疫線と呼ばれる境界を設置し、地域社会や都市・町をまるごと切り離して発症していない人を集め、発症者している、後に発症した人を閉め出します。こうして外界との交流を断ち、出入りを禁止することでコミュニティ内の秩序と安全は保たれます。

事実、1918年のインフルエンザ大流行ではコロラド州ガニソン郡が逆隔離を行い、武装した監視人を配置することで町への出入りを禁止し、インフルエンザの感染を食い止めています。

当時、この地域の感染者はゼロだったと言われていることから、効果の高さが伺えます。

しっかりとした規律を作り、それを遵守することでコミュニティ内の安全を確保することは可能です。ですが、完全に遵守出来ないようでは安全を確保することは出来ないでしょう。

感染者がコミュニティ外に溢れかえったら

正直に行ってどうすることも出来ません。

いくらコミュニティを作ったところで、変異した狂犬病ウイルスに侵された人々はゾンビではなく知恵も知識もある人間なのです。

症状の軽い人はコミュニティを守るための壁を乗り越えるすべを考えるでしょうし、攻撃的な人は壁を破壊する方法を考えるでしょう。そうなると安全といえる場所はどこにもなく、感染もしておらず発症もしていない人たちは毎日怯えて暮らすことになります。

また、この頃には法律などなんの意味もなくなっており、暴行や強奪などの行為が平気で行われている世の中だと想像するのは難しくありません。

残された人にできることは、自分が感染していないことを祈りながら発症者が息絶えるのを待つことだけです。

人類は滅亡するのか?

すべての人が愚かな行動を取り続けたら可能性はあると思いますが、基本的には変異した狂犬病によるアウトブレイクで人類が滅亡することはありえません

数十億の人間が数万~数十万程度まで減少することはあるでしょうが、それ以下になることは滅多なことではないと考えられます。

それは何故か?

人には自然免疫というものが備わっており、北欧の人であれば約1割の人がHIVに免疫を持っていますし、アルゼンチン東北部にある集落のアタカメニョ族の人たちはヒ素に対して耐性を持っています。

いかに変異した狂犬病ウイルスであっても、それに対して自然免疫を持っている人がゼロという可能性は考えづらく、この免疫を持っている人は無謀な行動をとって死なない限りは生き延びることが出来るのです。

事実、狂犬病ウイルスに対して免疫を持っている部族がペルーでも発見されていますし、変異しているならそれに対して免疫を持っている部族や集団が存在してもなんら不思議ではありません。

もっとも、映画のゾンビのように死んでからも血肉を欲して動き回るというのであれば話は別でしょうけれど……

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