【ウォーキング・デッド】ダリルから学ぶクロスボウの「歴史」と「武器」としての用途

2017/08/27    251views

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少年時代はドラゴンクエストやFINAL FANTASY、ロマンシングサガなどをやり込んでいた『ぽよまる』です。

創作物で花形の武器といえば『ロングソード』なわけで、『』や『ガンブレード』なんてロマン武器も多数登場します。

ですが』は高確率で登場するのに『クロスボウ』はほとんど登場しません

どちらも矢を消費する武器であり、似たような性質であるにも関わらずです。

そのあたりも考えながら『クロスボウの歴史と武器としての用途』を探っていきましょう。

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クロスボウの原型となる『弩』は紀元前の中国で生まれた?

Wikipedia『弩』の項目によると、紀元前5世紀に始まる中国の戦国時代には斉の孫臏が戦闘で弩兵を運用しているとの記述が『孫子』に記載されており、既にこの頃には主力の飛び道具として使われていたようです。

つまり、紀元前5世紀には既に誕生しており『兵器として運用』されていることがわかります。

同じく紀元前に誕生しているものだと、紀元前4世紀頃の古代ギリシアに『ガストラフェテス』という腹と地面を使い、体重をかけて固定して、背筋を使って弦を引く方式の武器が存在していたそうです。

西洋でクロスボウが戦争に使用され始めたのは11世紀以降

中国が紀元前から兵器運用していたことを考えると、西洋で兵器として運用され始めた時期は非常に遅いものだなと感じます。

兵器運用されるのが遅かった原因として考えられるのは『狩猟用』の道具であり、武器として見られていなかったから。

何より弓矢よりも『飛距離』こそ優れているものの、クロスボウの構造を考えると短くて矢羽の少ないものを使用することになるります。そのため、慣性がかかりづらく射線から弾道が逸れやすいという欠点もあったようです。

そのうえ、斜め45度に曲射しても長弓や合成弓ほどの『有効射程距離』がなかったため、数を揃えて隊列でも組まなければ平地等での運用には向かなかったのでは無いかなと思います。

創作物であまり使用されない理由

個人的な意見でしかありませんが、弓と比べて『1vs1』の状態で扱いづらいというのが最大の原因かなと思います。

弓を扱うには『弓を引き絞って構えるための筋力』と『狙った場所に命中させる』という技術が必要ではありますが、創作物に登場するような弓使いは大半がその条件を満たしています。

そればかりか、移動しながら弓を引き狙いを定めて撃つなんて芸当もこなしてくるため、発射するたびに『立ち止まって弦を引き』その上で『矢をセットする』という二重の動作が必要なクロスボウよりも『弓の方が実用性に長けている』のは間違いありません。

そのため、創作物で扱う際には伸びしろのないクロスボウを扱わせるよりも、登場人物の技術や訓練によって能力の向上する弓が用いられるのでしょう。

熟練者でなければクロスボウのほうが扱いやすい

兵器として運用されている実績があるからこそわかることなのですが、技術や訓練を重ねなければ正確に狙った場所を射抜けない弓に対し、クロスボウは訓練しなくともある程度は狙った場所に着弾するという性質を持っています。

有効射程距離が短いとしても、軍人や訓練を受けていないものを戦闘に立たせるのであれば、クロスボウのほうが高い効果を得られます。

クロスボウの威力と射程距離

今現在生産されているクロスボウはいくつかの種類に分かれています。

比較的軽く弦を引けるものから、補助具を使わないと弦を引けないものまで様々です。

その有効射程距離は『短いもので10~20m』『長いものだと30~70m』にもなります。

威力はどの程度かというと、『薄い鉄板を貫ける程度』のものからコンクリートを破壊できるようなものまで。

重装備の騎士の鎧も貫通できた

流石に盾と鎧の両方を貫通することは出来ないでしょうが、昔に開発されたものでもそれほどの威力を持っていたと言うことです。

殺傷能力だけで見れば十分すぎるほどであり、発射する際に音もほとんどならないため西洋では狩猟などに用いられることが多かったのではないでしょうか。

長弓や合成弓と比べた場合の射程距離や威力など

クロスボウの威力が十分に高いことはわかっていただけたと思いますが、長弓や合成弓と呼ばれるものの威力や射程距離がどの程度あったのか?

それがわからないことには、クロスボウを多用しない理由の解決にはつながりません。

ですので、長弓や合成弓の有効射程距離や威力について話しましょう。

長弓の射程距離は1,100m!?

大高坂長門守が大高坂城より小高坂城内へ遠矢を射た際、小高坂の武士が食事をしていた飯椀に射当たった。との記述が『土佐物語』に記述されており、両城の間は約1,100メートルあったといわれている

が、『土佐物語』は軍記物の読み物であるため誇張されている可能性が非常に高く、現実的な射程距離としては『400m』程度だと考えられる。

また、実戦で『動く獲物に対しての有効射程距離は50m前後』だと考えられているが、個人の技量次第では100m近くまで射抜ける可能性を秘めている

初期のマスケット銃よりも威力が高い

その上、狙いをしっかりと定めなければ一分間に10~12射することが可能なため、時代によっては銃よりもすぐれた遠距離武器として扱われている。

その反面、クロスボウの項でも説明したが技術の習得に時間を要するため、多人数を超級の射手として実用化することは難しかったとされる。
※クロスボウが1射する間に長弓は7射以上出来るとの記述も存在する。

合成弓こと複合弓も長弓と似たような性能を持つ

連射性や威力の面でも長弓に劣ることはなく、射程距離だけみれば長弓よりも長い600m級のものまで存在していた

モンゴル民などは小銃が発達した時代においても、連射性の問題や馬上での銃の扱いづらさ、民族としての誇りなどから合成弓を持って戦い続けた。

その結果、東ローマ帝国などでは合成弓を輸入してまで軍隊に取り入れたりなどもしていた

ゾンビ相手にクロスボウは有効な武器といえるのか?

ウォーキング・デッドのダリルから学ぶとタイトルにしているので、これについても考えていきましょう。

矢の再利用は可能なのか?

これは矢の材質にもよるとは思いますが、数度であれば再利用は可能だと思われます。

作中でもゾンビの頭に刺さった矢を抜いて再利用していますし、ダリルの使用している矢が『カーボン製』なら問題のない描写だと思います。

ですがアルミの矢を使っている場合は曲がったり折れたりする可能性があるので、物資補給の際にどこかで入手している可能性もあります。

というか、作中にダリルが所有しているもの以外のクロスボウを持ち帰っているシーンがあるので、物資調達の際にクロスボウや矢も持ち帰っているはずです。

クロスボウの矢は3つのパーツから出来ている

作中では一度だけ、ダリルが木を削ってボウガンの矢の材料を作っているようなシーンがあります。

そしてクロスボウの矢は『ポイント』『シャフト』『ヴェイン』から出来ており、鏃にあたる『ポイント』の部分は使い回しが可能です。

よって、矢の胴体部分である『シャフト』が折れたとしても『ポイント』の部分さえ回収しておけば、別の素材を用いて矢を作り出すことが可能となっています。

この際『ヴェイン』と呼ばれる羽根の部分も自作しなくればいけないため、精密性に欠ける矢が出来る可能性が高くなりますが、至近距離で射るぶんには問題ないと思われます。

クロスボウでゾンビを殴っているけど大丈夫なのか?

これもクロスボウによるとしか言えません。
中抜され軽量化されたクロスボウでは難しいでしょうし、強度な素材で作られているものであればダリルがしているようにクロスボウの銃床で殴ることも可能でしょう。

ですが、しっかりとメンテナンスをしていなければあのような使い方をしていては確実に壊れますので、描写されていないところでダリルはしっかりとメンテナンスをしているのでしょう。

ダリルのようにクロスボウでゾンビの集団と戦えるか

常人では不可能です。

ダリルは第一射の直後に弦を張り直し、すぐさま第二射を打ったりもしています。ですが、軽量級のクロスボウならまだしも、十分な威力をもったクロスボウは成人男性が全力で弦を引こうとしても補助具なしでは引けません

それを軽々と行い、尚且つ近場にいるゾンビには銃床やナイフで対応するという超人的な身体能力と危機察知能力が必要になります。

ですので、万が一ゾンビがはびこるような世界になったとしても、ダリルの真似をして生き抜こうとしてはいけません

弦を引いている間にゾンビに襲われて死ぬのは間違いないでしょう

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