結婚してすぐ子宝に恵まれた夫婦や、交際中に子供を授かって勢いで結婚してしまうカップルがいるなか、不妊で悩む夫婦の割合は10組中1組と少なくありません。
すぐに子宝に恵まれた方からすれば、「どうして子供ができないの?」と疑問に思いますし、できない夫婦からすれば「どうして子供ができないの?」と焦りや困惑・不安が生じることも珍しくないでしょう。
そこで妊娠できる確率はどの程度あるのか? というところに注目してみると、健康な若い男女がタイミングを合わせても30%程度しかないことがわかります。
数字だけ見れば十分妊娠できそうなものですが、女性が妊娠できるのは排卵日の6日前から排卵日の翌日あたりまでで、精子の生存時間は36時間~48時間程度しかありません。
そう考えると、しっかりタイミングを合わせなければ「妊娠するのは簡単なことではない」と気がつきます。
ですが夫婦の生殖機能に問題がなければ、生活を少し変えるだけでも妊娠する確率は上がります。
不妊で悩んでいる夫婦は、しっかりと知識をつけてお互い協力し合うことで、夫婦関係を良くするだけではなく子宝に恵まれやすくなると知っておきましょう。
不妊の半分は男性にも原因がある
最近は少しだけマシになりましたが、一昔前までは「不妊の原因は女性にある」と言われることが少なくありませんでした。
ですがWHO(世界保健機構)の発表によれば、不妊原因の48%程度は男性側にもあるということがわかっています。
※2003年に日本受精着床学会が行なった不妊治療患者によるアンケート調査では、男性因子が原因のものは33%。
これは造精機能の減少であったり、精子の輸送障害であったりという身体的なものから、妊娠したいという妻からの誘いを断ったりと理由はさまざま。
自分だけに原因があると考えると、それが不安やストレスの原因になっていいことは1つもありませんので、焦ったり不安にならないよう心がけましょう。
参考元:公益社団法人日本産婦人科医会
年齢が上がるごとに妊娠する確率は下がっていく
冒頭で「健康な若い男女がタイミングを合わせても30%程度しかない」と言いましたが、これは25歳ぐらいまでの夫婦の話であり、それ以上年齢が高い場合は確率が下がります。
適切なタイミングで性交をしていたとしても、妊娠できる確率は26歳をピークに緩やかに低下していき、30代になれば20%以下になり、40代は5%を下回り45歳以降は1%にまで落ち込んでしまうのです。
これは女性側だけにいえることではなく、男性側にも当てはまることですので、子供がほしいと思っているのであれば、できるだけ早く相手を見つけるということも必要になって来るということ。
2017年度の平均初婚年齢が、男性31.1歳・女性29.4歳ということを考えられ、不妊で悩む夫婦が増えていることにも納得がいきますね。
参考元:平成29年(2017)人口動態統計月報年計の概況(外部PDF)
不妊状態の夫婦が妊娠する確率は2%程度
不妊の原因というのはさまざまありますが、子供を授かりたいと思っているのに、1年以上子宝に恵まれない場合 が不妊です。
たったの1年子供ができないだけで不妊なのか!? と驚くかもしれませんが、1年子供ができなければ不妊という扱いになります。
不妊状態にある夫婦が、なんの対策もしないまま妊娠する確率は2%程度と言われており、不妊状態の夫婦が子供を授かることがどれだけ難しいのかがわかりますね。
ですので、子供を作ろうと思って1年以上できないのであれば、何かしらの対策を講じないと妊娠するのは難しいということです。
参考元:公益社団法人 日本産婦人科学会
絶対に1人で悩まない
子供ができないと夫婦で悩んでいる家庭は大丈夫だと思いますが、夫のほうが「そのうちできるだろう」と考えて非協力的な場合、絶対に1人で悩んではいけません。
1人で悩みを抱えていることは焦りや不安となってストレスになりますし、ストレスが体に与える影響は多大なものです。
精神だけではなく体にまで影響を与えますので、友人でも親兄弟(姉妹)でもかかりつけの医師でも構いませんので、悩んでいることは全部ぶちまけてしまいましょう。
悩みや不安というのは、「◯◯だけど大丈夫」と考えるよりも「◯◯だから心配で……」と言葉にだしたり文章に書き出したほうが軽減できると、心理学の研究で明らかになっています。
さらに言えば、不妊で悩んでいる女性はこのページに書いてある程度のことであれば調べて知っている可能性が非常に高いですが、子供ができないことをそれほど真剣に考えていない男性は、この程度のことも知りません。
旦那を説得する場合には、信頼できる情報元を記載したブログやサイトに書いてあることか、情報元そのものを提示して、しっかりと理解してもらうことが大事です。
参考元:Test_Anxiety_Science_2011(英字外部PDF)
不妊で悩んだら夫婦で検査を受ける
不妊で悩んだとき、病院やクリニックで検査を受ける女性は少なくないと思いますが、検査をするなら必ず旦那さんと一緒に検査をしましょう。
女性であれば以下のような検査を受けることができますし、
- 血液・ホルモン検査
- 超音波検査
- フーナーテスト
- AMH検査
- 子宮卵管造影検査
- クラミジア検査
- 頸管粘液検査
男性でも以下のような検査を受けることができます。
- 血液・ホルモン検査
- 染色体検査
- 精液検査
- AMH検査
検査する病院やクリニックによっては、さらに精密な検査をしてくれるところもありますが、これらに異常が見られた場合には妊娠の確率は下がってしまいます。
適切な治療をうけることで不妊が改善されたり、妊娠する確率をあげることが可能ですので、検査を受けるのであれば、必ず夫婦で一緒に受けるようにしましょう。
少しでも妊娠しやすくするため生活環境を整える
仕事柄生活リズムを整えるのが難しい方でも、食生活やストレスをうまく軽減させるなど、少しでも妊娠しやすい環境を作ってやることは非常に重要です。
妊活中にやめたほうがいいことはいろいろありますが、その中でもタバコは妊娠する力を弱めるだけではなく、妊娠トラブルを招く危険性もあるので絶対にやめましょう!
旦那さんが吸っている場合でも、事情を説明してきっぱりやめてもらうのが理想ですが、タバコがないとイライラしてどうしようもない……という場合は、家にいる間だけでも吸うのを我慢してもらってください。
またバランスのいい食事を摂ることも推奨されており、とくに重要な栄養素として「葉酸」の摂取があげられます。
これは厚生労働省も推奨しており、女性だけではなく男性も葉酸を摂取していたほうが妊娠する確率が向上することがわかっているので、旦那さんにも食事やサプリで葉酸をしっかり摂ってもらいましょう。
参考元:UC Berkeley News
状態に合わせて妊娠方法を考える
検査を受けて夫妻の体に問題がない場合、2日に1回のペースで性交をしていれば不妊で悩まされるということは少なくなります。
なぜなら妊娠できる期間、女性の体の中に生きた精子がかならず存在しているから。
ですが体力的・時間的な関係からそんなペースで励むことは難しいという夫婦も多いと思いますので、排卵日に合わせて性交するタイミング療法や、人工授精・体外受精といった妊娠方法も視野に入れてみることが重要です。
自然な形で子宝に恵まれればそれが1番いいことですが、それがうまくいかないのであれば、かかりつけの医師に相談してみましょう。
妊娠はゴールではなくスタート
不妊で悩んでいた場合、妊娠できた達成感から妊娠がゴールのように感じてしまうかもしれませんが、妊娠はゴールではなくスタートです。
妊娠が発覚してから赤ちゃんはママのお腹の中で大きくなっていき、その成長も夫婦の生活などに影響を受けながら育っていきます。
不妊で悩んでいた場合は高齢出産になっていることも珍しくなく、せっかく授かった赤ちゃんが先天性の病気にかかっていることも珍しくありません。
少しでも健康で元気な赤ちゃんに育ってくれるよう、妊娠する前から生活環境をしっかり整え、赤ちゃんが育ちやすい体作りをしておきましょう!
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