近年注目を浴びているダイエット方法の1つである「糖質制限」ですが、ロカボ(ローカーボ)と呼ばれていたり、書いてあるサイトやブログによっては摂取しても構わない糖質の量が違ったりとさまざまです。
ですが、口をそろえて書いてあることは「糖質制限を正しくすれば痩せる」みたいなことばかり。
本当に糖質制限をするだけで痩せることが出来るのか? と疑問に感じると思いますが、糖質制限をすることで体重減少効果があるのは研究などでも発表されている事実です。
ですが6ヶ月程度までしか効果がなく、12ヶ月もすると糖質制限にダイエット効果はなくなるので注意が必要。
また個人の裁量で行う糖質制限には、健康面での被害報告などもありますので、糖質制限するときの注意点なども一緒に紹介していきます。
糖質制限ダイエットとは何か?
名前の通り、飲食物に含まれる「糖質を制限」するダイエット方法なのですが、もとは血糖値が高い糖尿病や肥満・メタボリックシンドローム患者のために考えられた食事療法です。
血糖値を抑える効果や体質改善といった効果も見込めるダイエット方法であり、誰でも簡単におこなえるのがメリットですが、やり方を間違うと健康面に悪影響を与えるので注意が必要なダイエット方法でもあります。
炭水化物と糖質の違い
いざ糖質制限を始めようと思っても、どんな食材にどれだけ糖質が含まれているのかをいちいち調べるのは面倒ですよね?
しかも、糖質制限用の食材以外には基本的に糖質○gなどの記載がなく、どれだけ糖質が含まれているのか知ることができません。
そこで見てもらいたいのがコレ!
炭水化物のところを赤枠で囲っているのですが、どうしてこんなことをしているのかというと「糖質+食物繊維」の合計値が炭水化物だからです。
なので、炭水化物のところを見れば食材にどの程度の糖質が含まれているのかを知ることができます。
ここで注意してほしいのは、糖質制限ダイエットでは「糖質は制限する」けれど「食物繊維は摂る必要がある」ということ。
糖質制限ダイエットで痩せる理由
糖質制限がどうしてダイエットに効果があるのかというと、以下のような理由で太るからです。
- 糖質を摂取することで血糖値が上がる
- 血糖値をおさえるためにインシュリンが分泌される
- インシュリンの働きで中性脂肪の形成、貯蔵が促進される
- 余った糖質が脂肪として体内に蓄積される
- 結果として太る
では、糖質制限をするとどうなるのか説明していきましょう!
糖質を摂取すると血糖値が高まりそれによってインシュリンが分泌されます。
インシュリンの働きによって体内にグリコーゲンとしてブドウ糖を蓄え、そのブドウ糖を体を動かすときのエネルギーとして消費します。
ですが全てのブドウ糖をエネルギーとして消費できるかといえばそうではなく、余ったブドウ糖は体に中性脂肪として蓄えられることになります。
そこで糖質制限をおこうなうと、血糖値が高まることを抑えインシュリンの分泌を抑制します。
インシュリンが分泌されないと、本来グリコーゲンとして体に蓄えられるはずだったブドウ糖が貯蓄されることはなく、中性脂肪の発生を防ぐことができます。
そして体内に必要な糖質が口径摂取できなくなると、肝臓に蓄積されているブドウ糖やグリコーゲンから不足した糖質分を補おうとします。
さらにこれらもなくなった場合、タンパク質を分解して糖をつくる糖新生と呼ばれる現象がおこります。
この糖新生がおきたときには中性脂肪も一緒に燃焼させる効果があるので、糖質制限はダイエットに効果が高いと言われるんですね!
糖質制限の種類
糖質制限にはいくつか種類があり、一食あたりの糖質をどの程度まで制限するのかによって異なります。
1,プチ糖質制限&ローカーボ
1食あたりの糖質を40~50g以下に抑え、1日の糖質摂取量を120~150g以下に抑えるのがこれにあたります。
主食となるご飯やパンを、少量であれば朝昼晩の3回しっかりと食べることが出来るのが魅力の制限方法。
調子に乗って食べ過ぎると1食分の糖質をオーバーしてしまうことがあるのが難点ですが、比較的簡単に始められて続けることの出来る糖質制限方法です。
ご飯やパンをしっかりと食べたいのであれば、夕食のみ主食を食べないなどの方法で代替えすることが可能です。
2,スタンダード糖質制限
1食あたりの糖質を30g以下に抑え、1日の糖質摂取量を100g以下に抑えるのがこれに当たります。
食パン1枚(一斤6枚スライス)で糖質は30gを超えており、白米も100gで約37gほど糖質を含んでいるのでまともに主食を食べることはできないと思ってください。
ですが、食べる量さえ調整すれば1食30g以下で抑えることは不可能ではありませんので、おかずの量を増やすことで満腹感を得ることは十分に可能です。
ご飯やパンをしっかり食べたい場合は、朝食と夕食の主食を抜くことで昼食にその分をまわすことができます。
3,スーパー糖質制限
1食あたりの糖質を20g以下に抑え、1日の糖質摂取量を60g以下に抑えるのがこれになります。
残念ながらプチ糖質制限やスタンダード糖質制限とは違い、朝昼晩と全ての食事で主食を食べることが困難になり、おかずのみでお腹を満たす方法になります。
ですが、糖質をほとんど摂取しないためインシュリンの分泌は最小限に抑えられ、ブドウ糖も補給されない状態ですので、体がエネルギー源確保のために中性脂肪をケトン体へと次々に変えていくので非常にダイエット効果は高いです。
具体的に何を制限すればいいのか?
ここまでにもすでに書いていますが、お米やパンといったものは基本的にNGであり、小麦粉から作られている食品も基本的に全部ダメです!
お米やパンが大好きという方には非常にツライ制限になりますので、お米やパンも食べたいんだけど……という方には「 低炭水化物はもう古い!? 高炭水化物ダイエットで健康的に痩せる」で紹介している、高炭水化物ダイエットをオススメします。
栄養バランスを考えた食事をとる
栄養バランスを考えた食事といっても、食べられるものが限られるんじゃ難しいんじゃないの? と思うかもしれませんが、実は食べられるものはたくさんあります!
肉や魚に関しては糖質をほとんど含んでいないため kg 単位で食べることができますし、卵や大豆製品に葉物野菜も食べまくって大丈夫!
きのこや海藻なども問題なく食べることが出来ますので、豆腐麺やこんにゃく麺などを上手く使えば具だくさんのラーメンなんかを作ることもできます。
タンパク質不足は厳禁!
タンパク質というのは体を構成する上でさまざまな役割をもっています。
中でも深刻なのは、タンパク質不足による筋肉の減少です。
糖質制限をしていると低カロリーでタンパク質の少ない食事をとりがちですが、それを続けていると中性脂肪からではなく筋肉からもエネルギーを消費するようになりだします。
目に見える部分だけではなく臓器なども筋肉でできていますので、それらの機能が低下して健康不良におちいったり、肌や髪のトラブル、集中力や思考力・免疫力の低下などにもつながるので、しっかりとタンパク質はとるようにしましょう!
注意事項
糖質制限をしていると低炭水化物の状態になることが多く、低炭水化物×動物性の高タンパク質・高脂質な食事は健康に悪影響を与えるという結果が多数報告されています。
お肉や魚なら好きなだけ食べられると思って食べ過ぎると、ダイエットはできても健康被害がでる可能性があるので注意しましょう。
摂取カロリー > 消費カロリーになると太る
糖質さえとらなければどれだけ食べても大丈夫だと勘違いされがちですが、摂取カロリーが消費カロリーを上回るようでは太ります!
今までさんざん痩せやすくなると言っていたのに嘘だったのか!? と思うかもしれませんが、糖質制限をしていても過剰摂取したカロリーがある場合はそれが脂肪に変わります。
もちろん糖質制限をしていない人と比べれば痩せやすい状態であることには変わりないのですが、炭水化物(糖質)の多いものを食べてないから大丈夫だぜ!! とバカ食いを続けていたらスーパー糖質制限をしていても痩せません。
主食が食べられないぶんを他のもので補うのはいいのですが、食べ過ぎには注意しましょう!
偏食などで食べられるものが限られる人はサプリメントなどもつかう
糖質制限をやるうえで、栄養バランスに気をつけた食事をとらないといけないことはわかったと思います。
ですが、偏食で食べられるものが少なく栄養バランスなんか考えられない……という人も中にはいるはずです。
そんな人はサプリメントやプロテインを使って足りない栄養素を補給しましょう!
今はドラッグストアなどでも糖質制限をしている人にむけたサプリメントやスムージーなどが売っているので、好みに合うものをみつけるのはそう難しくないはずです。
しっかりと運動することも必要
摂取カロリー < 消費カロリーの状態になっていれば、運動をしなくても体重は落ちていきます。
糖質制限ダイエットをしているのであれば、普通に生活を送っているだけでもダイエットに成功するのはそう難しいことではありません。
ですが、絶対に有酸素運動と無酸素運動を取り入れたトレーニングをしてください!
理由はいたってシンプルなもので、糖質制限+摂取カロリーが少ない状態だと、どれだけタンパク質をとっていても筋肉量は減少していきます。
そんな状態でトレーニングもしないとなると、筋肉が減少しつづけ代謝が悪くなることで痩せづらい体になるだけではなく、リンパの流れが悪くなりむくみなどの原因にもなります。
せっかくダイエットに成功しても健康を損ねたのでは意味がありませんので、適度にトレーニングも取り入れながら無理をせず減量していくようにしましょう!
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