ビオチンという聞き慣れないビタミンを知っていますか?
ビオチンはビタミンB7やビタミンHとも呼ばれ、皮膚や髪の健康に欠かせない栄養素であるばかりか、不足すると深刻な病にかかってしまうことも少なくない重要な役割をもったビタミンです。
そんなビオチンには、どんな効果があって、不足するとどんな症状が現れるのか一緒に学んでいきましょう!
ビオチンってなに?
ビオチンはビタミンHと呼ばれていたこともあり、ビタミンHのHは皮膚を表すドイツ語の Haut からとられています。
そのため皮膚や粘膜に大きな影響を与えるビタミンとして知られており、健康で丈夫な肌を作るためには欠かすことのできないビタミンです。
ビオチンにはどんな効果があるの?
ビオチンの持っている効果にはさまざまなものがありますが、どんなものがあるのか順番に見ていきましょう。
皮膚や髪の毛を生成し、抜け毛や白髪の予防
ビオチンが不足すると皮膚炎や白髪などの原因になりますが、逆にしっかりと摂取していれば皮膚を健康にしてくれるだけでなく、色素細胞を活性化させることで白髪が増えることを防いでくれます。
また髪の毛の生成にも役立っているので、抜け毛の予防に効果も期待できるようです。
肌のターンオーバーを促進
ビオチンがビタミンHと呼ばれていたのは、皮膚炎を予防する効果があるからですが、皮膚炎を予防するだけではなく補酵素として働き肌のターンオーバーを促進してくれる働きもあります。
ニキビや肌荒れなど、皮膚の炎症から発生する肌トラブルも予防してくれる働きがあるので、美肌を目指すためには欠かせないビタミンです。
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補酵素として働き、代謝をあげることで疲労感を和らげる
ビオチンはさまざまな代謝に関わる補酵素として働くことで、体にさまざまな影響をもたらします。
肌のターンオーバーや抜け毛などもそうですし、代謝をあげる手助けをすることで疲労感を和らげる効果なども。
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ビオチンが不足すると起こる症状
ビオチンが不足することでおこる症状は驚くほど多いので、どんな欠乏症があるのか順番に見ていきましょう。
膠原病(こうげんびょう)にかかりやすくなる
膠原病といってもわからないと思いますが、関節リウマチやシェーグレン症候群と言えばわかる方もいるのではないでしょうか?
膠原病は1つの病気を指す言葉ではなく、似た性質を持つ病気を総称する言葉で、膠原病になると関節の痛みや腫れ、免疫系異常からの肺炎や中枢神経障害などさまざまな病気の原因になっているのです。
クローン病などの免疫不全
クローン病とは、口から肛門までの消化管に慢性的な炎症が起きる病気のことで、根治治療の確立されていない厄介な病気です。
インスリン分泌量低下による糖尿病
ビオチンが不足することによってインスリンの分泌量が低下し、血糖値が上昇することで発症する1型及び2型の糖尿病にかかる危険性があるといわれています。
糖尿病の症状も厄介ですが、それ以上に脳卒中や心筋梗塞といった合併症に注意が必要になってくるでしょう。
皮膚炎や神経系異常
上記の深刻な病の他にも、皮膚炎やむかつき、吐き気に憂うつ感など、日常生活に支障をきたすような症状が現れることも少なくありません。
ビオチンが不足する理由
ビオチンがビタミンB7と呼ばれることがあるのは冒頭で説明しましたが、ビタミンB7と呼ばれることが少ないのは体の中で腸内細菌により生成することのできる栄養素だからです。
そのため極度に偏った食生活をしていなければ、不足することはありません。
ですがビオチンが不足する理由というのはいくつかあって、生卵の卵白(1日に5個以上の生卵を食べた場合)に含まれる成分によって吸収が阻害されたり、腸内に悪玉菌が増えることでビオチンの生成が行われず不足する。
また、アルコールやニコチン(タバコ)によって大量に消費されてしまうため、飲酒や喫煙をしている方は不足しがちになります。
ビオチンが多く含まれる食材
食品100g当たりのビオチン含有量が多い食べ物として、鶏のレバーがあり鶏レバーを100g食べるだけで、推奨摂取量の倍近い量を摂取することができます。
牛や豚のレバーにも鶏ほどではないにしろ多量に含まれており、卵黄にも多く含まれていることから、比較的摂取しやすいビタミンにです。
もちろん魚介類やきのこ類などにも含まれているので、食事からでも十分な量を摂取することは可能ですが、消費されやすいビタミンでもあるので、思ったより摂取できていないということもあるので注意が必要。
1日にどれぐらいビオチンを摂ったらいいの?
成人男性・女性ともに50μg程度を毎日摂取するのが理想的で妊娠中や授乳期であっても変わりません。
また、多量に摂取しても尿や汗として排出されるので、過剰摂取の心配をする必要はないです。
注意が必要なのは妊娠中の女性で、過剰摂取した場合、お腹の中にいる赤ちゃんにビオチンが蓄積してしまいます。
赤ちゃんにビオチンが蓄積すると、催奇形性の危険が高まるだけではなく、妊娠初期であれば胎盤や卵巣の萎縮が発生する可能性があがる可能性も……。
妊娠中は過剰摂取にならないよう注意しましょう!
まとめ
肌の健康には欠かせないビオチンですが、肌だけではなく補酵素としてさまざまな影響を体に与えます。
体内でも作られるので一般的に不足することはありませんが、ニキビや肌荒れが酷いときなどは腸内細菌によってビオチンが生成されづらくなっていたり、飲酒や喫煙の影響を考えてみましょう!
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