ナイアシンと聞いても、ナイアシンってなに? となる方が多いのではないでしょうか?
実はビタミンB群に含まれるビタミンの1つで、さまざまな代謝をサポートする働きがある人体に欠かすことのできない栄養素なんです。
ナイアシンにはどんな効果があり、不足することでどんな影響があるのか、一緒に学んでいきましょう!
ナイアシンってなに?
ナイアシンとはニコチン酸とニコチンアミドの総称で、水溶性のビタミンB複合体のことです。
ビタミンB3と呼ばれることもあり、糖質・脂質・タンパク質の代謝に必要な栄養素であるばかりか、循環系・消化系・神経系の働きを促進する働きなども有しています。
ナイアシンにはどんな効果があるの?
ナイアシンの持っている効果にはさまざまなものがありますが、どんなものがあるのか順番に見ていきましょう。
糖質・脂質・タンパク質からエネルギーを作るサポートをする
ナイアシンは糖質・脂質・タンパク質の代謝に必要な酵素を補助する働きを持っており、糖質・脂質・タンパク質の代謝に使われるビタミンをサポートする役割があります。
体が生み出すエネルギーの70%近い量にナイアシンが関係しているともいわれており、ナイアシンを必要とする酵素の数も400種類以上と非常に多いです。
そのため他のビタミンB群の摂取推奨量が数mg/日であるのに対し、ナイアシンは数倍にも及ぶ10mg/日を必要としています。
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皮膚や粘膜の健康維持を助け、アンチエイジング効果も
ナイアシンが関係しているのが糖質・脂質・タンパク質の代謝だということがわかれば、それらの代謝を行っている栄養素の持つ効果の向上も期待できます。
具体的には皮膚や粘膜の健康維持を助け、皮膚や粘膜の炎症を防いだり、ターンオーバーを促進して整えることで美肌効果も。
また肝臓や腎臓が持つ機能を他の栄養素と一緒にサポートしてくれるので、アンチエイジング効果も期待できるでしょう。
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ナイアシンが不足すると起こる症状
水溶性ビタミンで体の中にためておくことの難しいナイアシンですが、不足すると笑えないぐらい酷い症状を引き起こすことがあります。
もっとも有名なのは、「ペラグラ」というナイアシン不足+日光を浴びることで発症する病気で、初期症状として光線過敏症が生じて顔や体に左右対称の皮膚炎が起こります。
その後は消化管が侵され、吐き気や嘔吐・下痢などの症状が現れると同時に、口内炎になるなど粘膜にも炎症を起こし始めます。
さらに症状が進行すると、脳の機能不全や幻覚・健忘などが起こり、最悪の場合は死に至ります。
ナイアシンが不足する理由
ナイアシンが不足することでおこる症状を見てしまうと、「ナイアシン不足は怖い!」と思うかもしれませんが、現代日本で普通に生活していればナイアシン不足になることはまずありません。
なぜならナイアシンが多く含まれている食材には魚介類や肉類・海藻類が多いので、食事のメインや味噌汁などから十分な量を摂取することができるからです。
不足することがあるとすれば、ムリなダイエットやトウモロコシを主食にして極端な偏食をして、わざとナイアシンを摂取しない生活をする必要があります。
ナイアシンが多く含まれる食材
食品100g当たりのナイアシン含有量が多い食べ物として、たらこや明太子があり、これらを100g摂取するだけで1日の推奨量を簡単に超えてしまいます。
特に生のたらこは100g当たり49.5mgもナイアシンが含まれているので、食べ過ぎには注意が必要です。
他にもマグロやカツオといった赤身魚に、鶏のささみにビタミンBを多く含む食べ物として定番の牛・豚のレバーに焼き海苔。
キノコに芋に野菜とさまざまなものに大なり小なり含まれており、偏った食生活をしていなければ意識して摂取する必要はありません。
1日にどれぐらいナイアシンを摂ったらいいの?
成人男性で15mg、成人女性で11mg、妊娠中の方で11mg、授乳期の女性で13mg程度を毎日摂取するのが理想的で、上限値は成人男性・女性ともに30mgと他のビタミンB群と比べると多いです。
他の水溶性ビタミンと同じく、必要量以上は尿として排出されますが、過剰摂取すると軽いもので消化不良やひどい下痢になり、さらに悪化すると消化器系の障害や肝臓障害として体にダメージを与えます。
まとめ
聞き慣れないビタミンの名前だったとは思いますが、ナイアシンは他のビタミンB群のサポートをする非常に重要な栄養素です。
エネルギー代謝にも深く関わっている栄養素なので、過剰摂取にならないよう注意しながら、しっかりと補給していきたいですね!
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