つわりの予防に効果的だとして知られているビタミンB6ですが、赤ちゃんの脳の発育や高齢者の記憶向上、ターンオーバーを整える効果などもあるのをご存知ですか?
ビタミンB群としてまとめて摂取することの多いビタミンB6ですが、ビタミンB6にはどんな効果があって、不足するとどんな症状が現れるのか順番に学んでいきましょう!
ビタミンB6ってなに?
ビタミンB6は水溶性ビタミンの1つで、皮膚炎を予防することから発見されたビタミンです。
血液やタンパク質を作るときに消費され、タンパク質を多く摂取する人ほどビタミンB6が必要になってきます。
また皮膚や粘膜の再生・健康維持にも役立っており、脂質の効率的な代謝をサポートすることからビタミンB2と一緒に摂取することで相乗効果が期待できます。
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ビタミンB6にはどんな効果があるの?
ビタミンB6の持っている効果にはさまざまなものがありますが、どんなものがあるのか順番に見ていきましょう。
つわりや月経前症候群(PSM)による症状を緩和
妊娠初期のホルモンバランスの変化により、つわりに悩まされる妊婦さんは多いと思いますが、ビタミンB6を5~60mg摂取することで吐き気や気分が悪いといった症状を抑えることができます。
成人女性のビタミンB6の上限値が1日45mg程度なので、気分が悪いからサプリメントで……と補給しすぎると、逆効果になってしまうこともあるので注意が必要です。
生理が始まる3~10日ほど前から体に始まる不快症状を「月経前症候群(PSM)」といい、イライラや不安感・腰痛に腹痛と人によって症状も重さもさまざま。
どうしてこのようなこと起きるか簡単に説明すると、「ホルモンバランスの乱れが原因」で、妊婦さんがつわりになるときと似ていますね。
そのため月経前症候群にもビタミンB6が効果的で、症状を緩和する効果が期待できます。
参考元: 日本産科婦人科学会レポート(外部PDF)
胎児から乳児期の脳の発達を促す
妊婦のつわりに効果的なビタミンB6ですが、実はお腹の中にいる赤ちゃんにも大きな影響を与えます。
ビタミンB6には胎児から乳児期の脳の発達を促す効果があるといわれており、ビタミンB6だけではなくビタミンB群(B1・B2・B6・ナイアシンなど)とビタミンCを同時に摂取することで、胎児や乳児期の子供のIQ(知能指数)が平均8.1ほど向上したというデータがあるそうです。
またIQ70以下の知的障害を持つ児童にビタミンB群とビタミンCを大量投与した結果、IQが向上したという結果も報告されているらしいので、ビタミンB6に限らずビタミンは積極的に摂取していきましょう!
余分な脂肪が肝臓に貯まるのを防いでくれる
肝臓に余分な脂肪が貯まることで「脂肪肝」という病気になりますが、ビタミンB6を不足なく摂取していると脂肪肝を予防することができます。
これはタンパク質がビタミンB6を消費してエネルギーを作っているためで、ビタミンB6が不足するとエネルギー代謝を起こせなかったタンパク質が脂肪に変わってしまうからです。
これは糖質がビタミンB1を消費してエネルギーを作っているのと同じことなので、ビタミンB群が不足することで脂肪が溜まりやすい体になってしまいます。
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高齢者の記憶力に関係がある
血中にあるビタミンB6の濃度が高い高齢者ほど、ビタミンB6の血中濃度が低い高齢者と比べ、記憶力がいいことがいくつかの研究結果で示されています。
だからといって、認知症の高齢者にビタミンB6を投与すれば記憶力が改善されるのか? と言えばそんなことはなく、日常的に十分ビタミンB6を補給している場合に限り、記憶力が高い傾向にあるようです。
とはいえビタミンB12や葉酸と一緒に摂取を続けることで、認知症の予防にはなるといわれているので、健康な方ほどしっかり補給しておいたほうがいいビタミンだといえるでしょう。
皮膚・髪の毛・粘膜・爪などの再生を助ける
ビタミンB6はタンパク質の代謝を促進し、皮膚の再生や健康維持にも役立っています。
再生に役立っているということは、肌のターンオーバーなどにも効果があり、健康な髪や爪を作るために必要なビタミンでもあるということです。
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ビタミンB6が不足すると起こる症状
ビタミンB6は代謝のときに消費され、皮膚・粘膜・髪の毛・爪などの再生を助ける働きがあるといいましたが、不足することで正しく代謝が行わなれくなる可能性があります。
皮膚炎や口内炎・口角炎といった、ビタミンB2が不足することで現れる症状と同じような状態になり、極度に不足することで貧血や抑うつ・錯乱に免疫機能の低下といった神経系にも影響がでることも。
また脳波の異常により、麻痺性の発作や聴覚過敏といった症状がでることもあるようです。
ビタミンB6が不足する理由
ビタミンB6が不足する理由として考えられるのは、「抗生剤の長期服用」「ピルの常用」「血管拡張剤の摂取」を行っている方ぐらいのもので、極度に偏った食事やムリなダイエットをしていない限り、基本的に不足することはありません。
なぜならビタミンB6は経口摂取以外でも、腸内細菌によって体内で作られることがわかっており、食べ物や飲み物で摂取しなくてもある程度は体の中に存在するからです。
ビタミンB6を含んでいる食材も非常に多く、しっかりと食事をしていれば不足することはないと考えていいでしょう。
ビタミンB6が多く含まれる食材
ビタミンB1やB2を多く含む食材が「肉類」だったのに対し、食品100g当たりのビタミンB6含有量が多い食材はマグロやカツオといった赤身魚です。
ビタミンB2と同じように牛・豚・鶏のレバーにも多く含まれているので、レバーを食べれば効率的に複数のビタミンを摂取できます。
またイモ類にも比較的多く含まれており、お菓子やおつまみ感覚で食べられるフライドポテトなどからも摂ることができるので、不足しないようにするだけなら難しくありません。
1日にどれぐらいビタミンB6を摂ったらいいの?
成人男性で1.4mg、成人女性で1.2mg、妊娠中の方で1.4mg、授乳期の女性で1.5mg程度を毎日摂取するのが理想的です。
水溶性ビタミンなので尿と一緒に流れ出やすいのですが、過剰に摂取しつづけることで神経系やホルモンバランスに異常をきたしたり、肌荒れなどを起こすといわれています。
上限値は成人であれば男性が55mg前後・女性が45mg前後と非常に高く、生理などに悩まされ始める10歳前後でも30mg程度と、複数のサプリメントを同時に摂取しなければ、過剰摂取になることは考えづらいです。
まとめ
ビタミンB6は普通に生活していると不足する心配のないビタミンですが、積極的に摂取していってほしい方がいます。
それはこれからママになる妊婦さんや、生理痛や生理時のイライラ・不安感に悩まされている女性です。
ビタミンB6を摂取すると、つわりや月経前症候群の症状を緩和してくれるので、少しでも体調良く気分を晴れやかにするためにも、サプリメントなどで補給していくといいでしょう。
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